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プログラマーにとってわかりやすいプログラムを書き、読みやすい仕様書やマニュアルを書く理由など何もないからだ。巨大な金融機関の中でどうしても必要なシステムがあって、そのシステムを理解できるのが、そのプログラマーひとりだけだったとしたらどういうことが起きるのだろう。そのプログラマーの職は必ず守られ、会社はそのプログラマーが離職するリスクを減らすために高い給料を払わなければいけなくなる。

巨大金融機関という小宇宙の中にあって、二級市民のごとく扱われているプログラマーたちにとって、他の人間が絶対読めないような複雑な暗号をソースコードに忍ばせておくことは、自らの人間としての尊厳を守るためにどうしても必要なことなのだ。

また複雑怪奇なシステムは保守や拡張が絶望的に難しいだけではない。それを使うのも同じく絶望的に難しいのだ。これは実はトレーダーにとっても悪い話ではない。普通に使うと間違った答えしか出てこないからトレーダー特製の手作りパッチが奇妙奇天烈に絡み合ったシステムを使って、会社が抱えている複雑なポジションを正しくヘッジできるのが、そのトレーダーだけということになれば、大きな損失を出したところで会社はトレーダーを首にすることはできない。システムをどんどん複雑にしていくのは、既得権益を守るための常套手段だ。

金融日記:証券会社というコスモから宇宙全体を眺めてみたら (via igi) Via igi/Tumblr
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